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事例5 群馬県I氏宅 
    低圧蓄熱調整契約を活用

 

この事例は平成17年11月に「低圧蓄熱調整契約」の電気温水器を設置した群馬県北群馬郡榛東村のI氏宅の事例です。I氏の住宅は木造2階建ての床面積が約50坪程度の洒落た洋風住宅です。

I氏は以前から灯油ボイラで床暖房を行っていて本物の床暖房を知っていた。

I氏宅では改修工事の前から、25坪程度は床暖房を敷設していましたが、オール電化住宅にする為にエコキュートを採用して、その際に床暖房を更に増設して約30坪の床暖房を賄う事になりました。改修工事の前のI氏宅の床暖房は広い面積を暖房している事も有って、真冬の寒い時期も床暖房だけで薄い部屋着でも暖かく快適に過ごしていました。しかし,、エコキュートを設置した事により、給湯と浴槽加温の機能は兎も角として、床暖房が全く機能しないので、その後長い事トラブルになっていました。

エコキュートを複数台設置しても床暖房は無理。

ところが、エコキュートの床暖房は最初の僅かな時間だけ働いて後は殆ど機能せずに、その後は何の働きもしませんでした。これでは話にならないので能力が足りないでは無いかと言うと、次はエコキュートを増設してみました。しかし、結果は全く同じでエコキュートでは床暖房は無理だと判断されました。その状態では寒くて住めないので灯油のボイラを元に戻して灯油で床暖房を使用しました。この状態は約束の「オール電化」では無いので当然に契約通りの工事を強くお願いしました。

「床暖房で寒い時はエアコンで補って下さい。それがオール電化の方式です」と言われる。

その後は「床暖房で寒い時はエアコンで暖房をして下さい。エアコンも電気ですからオール電化です」と言われました。床暖房では快適な「頭寒足熱」の暖房ですが、エアコンでの頭ばかり暑い状態はI氏に取っては不快な暖房ですからI氏は怒りました。灯油のボイラの時から24時間連続して床暖房を使用する生活に慣れていましたから、I氏にしましても無理難題を言っているのでなく、契約時の条件を満たす事を要望しているだけで極めて常識的な要望でした。長い事、灯油ボイラの床暖房で快適に過ごしていたI氏は「もし床暖房を初めて使う人ならその担当者の言う通りにさせられたと思います」と語っていました。

結局その年は従来から使用していた灯油ボイラで寒さをしのぎましたが、契約上のオール電化には程遠い状況ですので施工会社と消費者であるI氏との間では約束の工事が完成しない事で「トラブル」になっていました。このトラブルは長く続いて年を越しました。

「低圧蓄熱調整契約」の蓄熱式電気温水器で問題は解決する。

未解決の状態は請負った工事会社も、又ユーザーであるI氏も非常に困惑しておりましたが、「低圧蓄熱調整契約」の蓄熱式電気温水器でいとも簡単に解決し、I氏の希望通りの安全で暖かく経済的な「オール電化住宅」が完成しました。その後にエコキュートのメーカーも暖房能力には限度が有る事を認知させる様になりましたが、この件は販売する為に「限られた面積を限られた時間だけ少し床暖房が出来る」事を以て「床暖房が十分に可能である」と言っている事に問題があると推察しました。

現状でも、「床暖房の能力が足りない場合はエアコンで補助してください」等の販売方法がエコキュートの通例の様ですが、エアコンを床暖房の補助に使うのは「頭寒足熱」が特長である「床暖房」の良さを壊すものです。床暖房の良さは「頭上の空気を暖める暖房を使用せずに十分な暖かさを得る」所に有りますから、今後本物の床暖房の良さが理解されて来るとやはり「エアコンを併用しなければならない床暖房」はトラブルになる可能性があります。

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