湯元 湧駒荘 別館浴場 神々の湯
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■作品名 「湯元 湧駒荘 別館浴場 神々の湯」
■所在地 北海道 東川町
■用 途 温泉施設
■事業者 (株)湧駒荘
■設計者 竹内 隆介、小松 豪
■施 工 吉本建設工業(株) 担当:吉本政治(建築)
■設備工事 (有)川端商店 担当:大槻弘幸(機械設備)
■電気設備 (株)たかでん 担当:荻原誠(電気)
■ヒートポンプ ゼネラルヒートポンプ工業(株)
■応募者 竹内 隆介、小松 豪
木造一部RC造3階建て(改修工事)
1階 529.59平方m (160.20坪)
2階 29.81平方m (9.01坪)
3階 318.33平方m (96.29坪)
延べ床面積 877.73平方m(265.51坪)
■業務用蓄熱調整契約(北海道電力(株))利用のヒートポンプ式熱システム 用途:給湯・床暖房
■給湯用電力容量 (業務用蓄熱調整契約)温泉排湯回収ヒートポンプ 195kW(3相200V)
■床暖房用電力容量(業務用蓄熱調整契約)温泉排湯回収ヒートポンプ 65kW(3相200V)
1.床暖房・給湯等にヒートポンプを利用し優れた経済性と快適性を実現。
2.豊富な温泉排湯を利用してのヒートポンプ式熱回収は高い成績係数(COP)が可能。
3.温泉排湯のみでなく、機械室の排熱までを利用して浴室を経由して排気する等のきめ細かな設計。
4.夜間電力利用と成績係数が高いヒートポンプの利用でCO2の削減効果が非常に大きい。
5.周辺の自然環境を損なわない「環境共生」の優れた作品。
評価 項目(システムに対する一般的な項目は(1)〜(10)迄で、(11)〜(12)は特記事項です)
[◎は特に優れている ○は一般的な評価です。]
評価 |
項目 |
◎ |
(1)電力負荷の平準化(夜間電力の使用比率大)による社会的な貢献。 ■経済効果は詳細の数値は不明だが(3)項の重油対比80%以下から推察するとコストダウン効果は非常に大きいと推察されます。 |
◎ |
(2)CO2の削減量: ■CO2の削減は、夜間電力の有効利用と高効率のヒートポンプの利用により年間での240屯(トン)の大量なCO2の削減が実現し環境好適性が非常に大。(数値は設計算出値) |
◎ |
(3)床暖房の敷設面積の比率と耐久性(保証値)及びランニングコストの保証の有無について (a)建物の延べ床面積に対して床暖房の敷設面積の比率:60%以上。 |
○ |
(4)蓄熱方式は個別制御が可能なタンク蓄熱式であり、暖房、給湯、浴槽加温熱機器等に20年間のフルメンテナンス契約等が有れば更に安心。 |
◎ |
(5)温泉排湯の熱回収も自然エネルギ−の効果的な利用であり、その効果は顕著に表れている。 |
○ |
(6)当該建築においてはバイオマスエネルギーの利用は無い。 |
○ |
(7)冷房コストの低減対策は寒冷地の為に冷房不要であり特に無い。 |
○ |
(8)災害時対策: ■豊富な温泉が有る為にエネルギ−の災害時対策は不要。 |
◎ |
(9)無管理状態の際の安全性の確保: ■管理者不在の際も燃焼機器は使用せずにオール電化で対応出来るので安全。 |
○ |
(10)当該建築ではバイオマスエネルギーの利用に依るフレームセラピーの効果等は特になし。 |
○ |
(11)新エネルギ−等の斬新的な利用も特になし。 |
◎ |
(12)シックハウスと廃棄物処理の対策: ■旧来の建物を有効に利用し地場の天然素材を使用する建築手法等で環境に好適な建築であると言える。 |
[結 論]
◎は特に優れていると評価された項目で6項目有ります。
○は一般的な評価の項目で6項目です。
以上の総合的な観点から長期間の耐用年数と共に「経済的」で
「環境に好適」で「快適性」に優れた建築と判断されます。
評価協力:グランドデザイン・コンテスト技術事務局
富士プラント・アルコ(株)技術部 篠崎・劉/他